相談にいらっしゃったご家族からよく伺う質問をまとめました。


ひきこもりは、なまけではないですか?

ひきこもりは、様々な要因から元気や自信を失ってしまったことで起こる状態像であり、なまけているわけでも甘えているわけでもありません。
もしかすると、ご本人は、とても辛い体験をしていたり、これまで精一杯頑張りすぎた結果として、休養が必要となり、ひきこもらざるを得ない状況となったのかもしれません。まずは、なぜひきこもりとなるような状況になったのか、ご本人の視点に立って想像してみることが必要です。奮い立たせて動かそうとするのではなく、ご本人が安心してしっかり休養できるよう、サポートをしていきましょう。
具体的に、ご家族としてどのようなサポートが出来るかについては、ご本人の状況によっても異なります。ぜひ、相談においでいただき、一緒に考えてみませんか?


ひきこもり相談支援センターでは、どのようなことをしてくれますか?

ひきこもり相談支援コーディネーターが、これまでの経過や現在の状況について、丁寧にお聴きし、状況の整理をしていきます。ご本人がご本人らしい生活を送れるよう、ご家族として何ができるのかを、ご家族と一緒に考えていきます。
また、ご本人の状況に応じて、より適切な関係機関へお繋ぎすることもございます。

ひきこもっているご本人が相談に来ることは難しい場合が多いので、ご家族の相談から始めていきます。
ご家族が相談に来ていただき、家庭の中に変化が生まれることで、ご本人の変化に繋がることもあります。
ご本人に気になる様子が見られたら、ご家族で抱えこまずに、ぜひご相談においでください。ご家族として、今できることを一緒に考えましょう。


ひきこもり相談支援センターは、どのようなスタッフが運営していますか?

福島県ひきこもり相談支援センターは、特定非営利活動法人こおりやま子ども若者ネットワークが福島県からの委託を受けて、運営しています。
特定非営利活動法人こおりやま子ども若者ネットワークは、主に「子ども若者」をテーマに活動している団体・個人で構成するネットワーク組織です。団体の活動目的は、『子ども若者に関する社会的排除を解決し、子ども若者の「参加」「自己実現」「多様性」を尊ぶ地域社会を実現する。(団体規約第3条)』を掲げています。

子ども若者の社会的排除に関しては、様々な複合要因が重なって起こるとの報告があります。単一の課題ではなく、教育・労働・医療・障害福祉等、複数の領域をつなげ、子ども若者の社会的排除を解決することを志しています。そのためには、まず地域の活動団体が、繋がり課題を共有し、互いの強みを活かし、そして支えあい目的の実現を目指します。

そして私たちは、子ども若者は、支援や育む対象として捉えるだけではなく、この地域社会の構成員として、彼らの「参加」を共に実現する仲間として協同していく事を大切にしています。

法人の詳細については、下記URLからご覧ください。
NPO法人こおりやま子ども若者ネットワーク
https://kowakanet.localinfo.jp/


家族がひきこもってしまいました。どうしたらよいでしょうか?

身近にいるご家族が突然ひきこもってしまった時、驚きや不安、焦りなどの感情が出てくることと思います。ご本人のことを思うと、心配になりますよね。

まずは、ご本人がどのような状態なのかを把握して、ご本人にとって安心して生活が出来る環境を整えることが必要です。

また、ご家族が孤立しないことも、とても重要です。
ひきこもりとなる背景は、人それぞれ異なります。
ご本人に気になる様子が見られたら、ご家族だけで抱えこまずにぜひご相談においでください。状況の整理をしながら、今後何が出来るのかを一緒に考えていきましょう。


不登校の子どもが、将来ひきこもりになるのではないかと不安です。

不登校を経験した子が、必ずしもひきこもり状態となっているわけではありません。不登校となっている時に、ご家族として適切な関わりが出来できていると、ご本人はご自身の力でエネルギーを溜め、自分らしい人生を送ることを目指して準備を進め、動き出すことがあります。

不登校となっている場合でも、ひきこもり状態と同様に、一人ひとり背景や状況が異なりますので、ご本人の状況もお聴きしながら、一緒に関わり方を考えていくことが良いと思います。どうぞご相談においでください。


子どもをなんとか外に出したいと思います。何かいい方法はないですか?

ご家族の焦りからくる激励や叱責は、ご本人の「気持ちを分かってもらえない」という思いが強まることも多く、家族関係の悪化も懸念されます。
無理矢理外に出そうとするのではなく、まずは、ご本人が安心して過ごすことのできる環境を整えることが必要です。急がずにじっくり進めることを心掛けること、そしてご本人の状況に応じて適切な関わり方をすることが必要になってきます。

ご本人への適切な関わり方については、今後コラム等でもお伝えしていく予定ですが、一人ひとりひきこもり状態となった背景や状況は異なります。
ご本人の状況に応じた適切な関わり方を一緒に考えていくことが良いと思いますので、是非ご相談においでください。


ひきこもりの子どもから、家庭内暴力を受けています。どうしたらよいですか?

ご本人のありのままを受け止めることは必要ですが、家庭内暴力を容認することではありません。
「暴力はいけない」ということを明確に伝えつつ、どのような言動がご本人の暴力のきっかけとなっているかを考えて、その言動を避けることが必要です。また、ご本人からの暴力がひどい場合は、一時的に避難することも必要です。状況によっては、警察の介入が必要な場合もあります。

ご家族だけで抱えこまず、お早めにご相談ください。


親の育て方が悪かったのでしょうか?

ひきこもりは、誰にでも起こりうることで、原因も一様ではありません。
よって、誰かを責めるのではなく、ご家族として今何が出来るのかを考え、行動していくことが大切です。必要に応じて、ご家族がカウンセリングを受けたり、家族会に参加するなどして、ご家族自身が安心感を得ながら生活を送ることも重要となります。

親御さんだけで責め合うことや抱え込むことはなさらずに、どうぞご相談ください。今出来ることを一緒に考えるところから始めていきましょう。


ひきこもりを脱するには、どのくらいの時間が掛かりますか?

ひきこもりの程度や状態、ご家族の関わり方によって、ひきこもり状態からの回復までにかかる時間は異なります。
ひきこもり状態を放置するのではなく、適切に見守り、ご本人の様子や状況によって、ご家族の対応を変えていくことが必要です。また、ひきこもり状態が長期化している場合は、今行っているご家族の対応を変えることも検討する必要があります。
出来るだけ早めに、ご家族だけでも相談機関へ繋がっておくことが重要です。


ひきこもり状態が改善するまでの見通しが知りたいです。

ひきこもりの状態にも、段階があります。その段階に応じて、適切な関わりをすること、焦らずに丁寧な関わりを続けていくことが、回復の近道です。

自室にひきこもっていて、ご本人の状態が見えにくかったとしても、ご本人の中で心と頭は常に動いており、日々変化しています。
回復までの過程は、前に進み続けるとは限らず、戻ることもありますが、ご家族の対応が良く変化し、家族関係が回復してくると、本人のペースで進んでいきます。
ご家族がご本人を支えていくためにも、ご家族としての不安な気持ちやお悩みを吐き出す場所が必要となってきます。支援機関へ繋がり続けることや、周囲の支えを得ながら、ご本人を見守ることができる体制を整えていきましょう。